認知症の医療福祉連携

遠藤 英俊
国立長寿医療研究センター 長寿医療研修センター長

 認知症の医療福祉連携は政策や社会背景により左右されやすい。2013年に始まった認知症のオレンジプランでは「認知症ケアパス」や「認知症初期集中支援チーム」など地域での医療福祉や行政との連携が欠かせないものが多い。その点ではお互いの機能や役割を理解し、顔がみえる関係を地域で構築することが重要であろう。連携の核としては地域ケア会議があり、今後地域でのケア会議がよく開催され、困難事例や地域の課題について、多職種がテーブルについて、議論する場の確保がなされようとしている。
 それ以外にも病院の従事者の認知症対応力向上研修であるとか、認知症カフェの設置がメニューとなっており、インフォーマルケアを含む、地域ネットワークの構築が重要となる。認知症対策の決め手は早期発見、早期対応が重要であるが、地域で認知症を支える力が必要となるであろう。徘徊をはじめとして家族だけの介護は限界があり、介護サービスの利用や地域での見守り、支えあいが必要である。つまり医療では認知症疾患医療センターの整備や認知症専門診療所の整備をはじめ、認知症サポート医の養成も重要であるが、認知症医療とケアを適切に提供するためには医療福祉連携のみならず、市民をふくむ地域連携が欠かせない。
 こうした国の施策が、机上の空論に終わらずに、将来にむけて実のある成果を期待したい。そのためには政策のモニタリングが必要である。また国は在宅医療を推進し、「地域包括ケア」を構築する目標があるが、自宅やサービス付き高齢者住宅を主体とする在宅系サービスと施設系サービスのバランスが問題となり、今後は適切な住み替えが必要かと思われる。理想と現実のバランスをとることが重要である。少なくとも認知症の場合には重度化した場合には施設サービスの利用が避けて通れない可能もある。

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