オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント

2024年4月1日

 日本老年医学会は、日本老年歯科医学会と日本サルコペニア・フレイル学会とともに、「オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメント」を発表し、本日記者会見を行いました。
 オーラルフレイルは、口の機能の健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にある状態です。 咬みにくさ、食べこぼし、むせ、滑舌の低下などのオーラルフレイルの症状は、身体的(フィジカル)フレイル、社会的(ソーシャル)フレイル、精神・心理/認知的(メンタル/コグニティブ)フレイルなどに代表される、高齢期に⽣じる複数の課題が重複して⽣じる“口の衰え”であり、改善可能な状態です。つまり、早期にオーラルフレイルの兆候を評価して適切な対策を⾏うことにより、機能低下を緩やかにし、さらには改善する可能性があります。これまでの介入研究の知⾒でも、その可能性が示されています。

 本ステートメントでは、新たなオーラルフレイルのチェック項⽬「Oral frailty 5-item Checklist:OF-5」を紹介しております。検査機器がなくてもセルフチェック可能ですので、国⺠⾃身や歯科職種以外の多職種で評価可能である点が特徴です。OF-5の5項⽬のうち、2項⽬以上に該当する場合にはオーラルフレイルに該当します。

 本ステートメントは、オーラルフレイルの概念と定義をより理解しやすく、かつ評価しやすくすることで、特に口腔機能に関するフレイルの啓発および多職種連携の推進を目的としています。
 今後の展望として、「口腔に関するさまざまな機能の軽微な衰え」を、歯科医療専⾨職が中心となった多職種協働により対応することで、食べる、飲み込む、話すなどさまざまな「口の機能の障害」および身体的フレイル・社会的フレイル・サルコペニア・低栄養といった次のレベルの障害の発症や重症化を食い⽌めることにつなげたいと考えています。そのために、新たな概念図と5項⽬から構成される新たな評価法「OF-5」を⽤いて、早期段階であるオーラルフレイルの対策を、産学官⺠の連携により多様な場⾯で実施する予定です。

 詳しくは、下記をご覧ください。