先輩方からのメッセージ

松尾 雪絵 (まつお ゆきえ)
交雄会新さっぽろ病院
内科・リハビリテーション科(回復期リハビリテーション病棟)
皆さんは老年科って特別だと思いますか?
私は祖父母と同居したこともなく、新興住宅地の核家族の多い地域で過ごしたため、高齢者の実際をあまり体験することなく医者になりました。病院ではもちろん高齢者は多いのですが、関西から北海道に移っていわゆる老人病院に入職してから、はっきりと高齢者医療を認識した記憶があります。
それでもその後の大半を回復期リハビリテーション病棟(以後、回リハ病棟)に携わることとなり、純粋な高齢者医療ではなかったかと思います。回リハ病棟はその名の通り、どんなに高齢であっても回復して在宅復帰を目指します。まさに2025年問題を迎え、90歳以上の超高齢者の入院患者さんも大変増えております。老年科と名乗らなくても高齢者医療は必須になっており、決して老年科は特別ではなく、ますます当たり前の医療になっています。回リハ病棟もリハビリが治療の主体ですが、高齢者も多く体調管理・全身管理も医師の大きな役割となっています。
皆さんも日々実感されていると思いますが、高齢者の治療では、その人にあった状態、いろいろな意味でバランスのとれた状態を保つことが安定した状態となります。ただ、これがなかなか難しく、精神面・認知面はもとより、人生観にも配慮が必要になったりします。私は高齢者医療に携わってきて、「上手い」高齢者医療の実践には、知識だけではなく、老いと疾病のバランス感覚を磨くことが大事なのではないかと思い至りました。治すだけでもなく、あきらめるのでもなく、バランスを整える医療が高齢者医療のミソ、コツ、ツボ、醍醐味かもしれません。
私は初めから老年科医を目指していたわけではありませんが、生活まで含めた高齢者の診療に携わることが長くなり、自分の専門性を高め、患者さんの安心につながるのではと考え、専門医を取得しました。先進医療的な注目はありませんが、これからの超高齢化社会でまさに時代に求められている医師として、活躍する仲間が増えるといいなと思います。
プロフィール
- 1995年
- 奈良県立医科大学 卒業
- 1995年
- 京都府立医科大学第二内科 研修医
- 1997年
- 京都第二赤十字病院 循環器内科・救急科 修練医
- 2000年
- 札幌西円山病院 内科(回復期リハビリテーション病棟)
- 2017年
- 札幌渓仁会リハビリテーション病院(回復期リハビリテーション病棟)
- 2025年
- 交雄会新さっぽろ病院 内科・リハビリテーション科(回復期リハビリテーション病棟)
※ 2025年11月掲載。所属は掲載当時のものです。


