先輩方からのメッセージ

老年医学の現場から、未来の医療を見つめて

山端 潤也

山端 潤也 (やまはな じゅんや)

公立能登総合病院
診療部長 内科部長 地域医療支援センター長 臨床研修センター副センター長

金沢大学医学部を卒業後、第一内科および腎臓内科にて、医療の基礎から高度な専門知識まで幅広く学びました。その後、石川県および富山県内の複数の病院で臨床経験を積みながら、学位を取得。特に富山県立中央病院では、慢性腎臓病から末期腎不全に至るまでの診療に従事し、透析療法や腎移植といった腎代替療法にも深く関わりました。診療と並行して臨床研究にも積極的に取り組み、医療の質の向上に努めてまいりました。

2016年より、公立能登総合病院に勤務。腎臓内科に加え、プライマリ・ケア、一般診療、救急医療にも携わり、地域医療の充実に力を注いでいます。常に「患者さま一人ひとりに寄り添う診療」を心がけ、日々の実践に取り組んでいます。

医師として歩み始めた頃から、終末期を含む高齢者医療に対して、自然と厳粛な思いを抱いていました。天寿を全うされる患者さまの最期の時間に、当時20代半ばの自分が立ち会わせていただけることに、深い意義と責任を感じたのを今でも鮮明に覚えています。

能登地域では、全国に先駆けて高齢化が進行し、2010年前後には高齢化率が30%を超えていました。これは、10〜15年後の日本全体の医療の姿を先取りしているとも言える状況です。誤嚥性肺炎、尿路感染症、骨折といった高齢者に多い疾患に日々向き合う中で、時に非常に興味深い症例にも出会い、それらについて学会等で積極的に報告してきました。

老年医学の魅力は、単に高齢者を診るという枠にとどまらず、多様なキャリアや専門性からアプローチできる柔軟性と、患者さまの人生そのものに寄り添う深さにあると感じています。医学的知識だけでなく、生活背景や価値観、地域性をも踏まえた包括的な視点が求められるこの分野は、医師としての成長を促してくれる豊かなフィールドです。

これから老年医学に携わろうとする皆さんへ。高齢者医療は、決して「終わり」ではなく、「つながり」や「支え合い」を実感できる医療です。患者さまの人生に寄り添い、地域とともに歩む医療のかたちを、ぜひ一緒に築いていきましょう。

※ 2025年12月掲載。所属は掲載当時のものです。