先輩方からのメッセージ

池田 義之

池田 義之 (いけだ よしゆき)

独立行政法人国立病院機構南九州病院
統括診療部長 兼 循環器内科部長

老年内科を志したきっかけ(プロフィール含む)

 私は1996年(25歳)に地元の鹿児島大学医学部を卒業後、鹿児島大学第一内科に入局し2001年(30歳)学位取得後は循環器を軸とした医療に従事してきましたが、ご高齢で心筋梗塞や心不全となり苦しまれている患者さんを診て「予防」の重要性を認識するようになり、「老化を予防できれば老化性疾患の発症を予防できるのではないか」という考えから「心血管の老化に関する研究をライフワークにしよう」と決意しました。2012年(41歳)から心不全や心臓老化研究で有名な米国Rutgers New Jersey Medical School佐渡島純一研究室に留学しました。2014年春(43歳)に帰国した際、大阪大学老年内科ご出身で2013年より所属講座の教授に就任されていました大石充先生より「抗老化抗加齢に興味があるなら老年医学会に入って老年医学を学びなさい」というご助言をいただきました。早速日本老年医学会に入会し現在に至ります。

現在の診療内容や取り組み

 2024年春(53歳)から鹿児島県姶良市にある国立病院機構南九州病院に勤務先を移しました。本邦では超高齢社会に伴いフレイル症例数が増加しています。フレイルは心血管疾患と密接に関係し互いに原因にも結果にもなっていることや患者の予後規定因子であることが報告されており、適切な診断と介入を行う必要があります。私は早速現在の勤務病院に「フレイル専門外来」を開設し、フレイル評価とともに心血管疾患合併の有無を評価し運動療法や栄養介入指導を行う老年科診療を実施しています。また高齢者では下肢血管に動脈硬化を生じ間欠性跛行や安静時疼痛などを呈する「末梢動脈疾患(PAD)」の発症リスクがあり、本邦で症例が増加しています。「地域在住者の下肢大切断をセロにする」をスローガンにPAD診療の充実にも取り組んでいます。無論、研究も行っています!『閉経後女性における拡張性心不全及びサルコペニアの発症機序解明から新規治療法開発を目指す基礎・臨床研究』を「日本学術振興会科学研究助成(基盤研究B、研究代表:池田義之)」および「日本老年医学会 高齢者栄養研究助成(第3回助成、研究代表:上坊翔太(大学院生))」からの助成をいただき実施しています。

最後に

 私が現在勤務しているような市中病院は大学と比べ研究や専門的診療に必要な設備やマンパワーに制約があるのは事実ですが、私が恩師大石教授から頂いた「やる気があればどこでも研究はできる」という言葉の通り、環境を理由に自分に制限を設けることなく信念をもってすれば自分が理想とする医療も研究も行うことが出来ると思います。またそれには年齢も関係ありません。志さえあれば何歳からでも実行可能と思います。これから老年科医を志す老年医学を学ぶ後輩への私からのメッセージとさせていただきます。

※ 2025年11月掲載。所属は掲載当時のものです。