先輩方からのメッセージ

平川 楊子 (ひらかわ ようこ)
土佐市立土佐市民病院 循環器内科
卒後すぐに高知医大老年病科に入局し、循環器内科と神経内科の勉強をさせて頂きました。当時の教授から、『Patient first』『病気を診るのではなく患者さんを診る医者に。』と教わりましたが、当時の私は日々の業務をこなすことに精いっぱいの数年を駆け抜けました。
入局6年目で結婚を機に高知市から車で約30分の土佐市立土佐市民病院に循環器内科医として赴任しました。大学病院と違い、患者層は超高齢で、循環器病だけではなく多病が併存しており、さらには独居や老々介護、フレイル、認知症など様々な問題を抱えており、これらをどう解決していくかが日々の課題となりました。
赴任して1年後に妊娠し、産休育休をへて復帰。職場の協力もあり、その後さらに2人の子供を出産できました。子供が小さい間は当直免除やフレックスタイムでの勤務体制でしたが、末っ子が小学校に上がり、通常勤務に復帰したのをきっかけに、目の前の患者さんの診療に役立てればと思い老年科専門医を取得しました。子育ての経験を通じて、食事・排泄・服薬・睡眠にいたるまでの生活の様子をより細かい視点で考えられるようになったのではないかと思います。
また、介護を担うご家族にも思いをはせるようになりました。高齢者は多病をもち、一つの疾患をきっかけにドミノ倒しのように問題が起こってくるものです。ご本人やご家族の話に耳を傾け、問題点を見つけだし、一緒に考え解決を目指します。多くの場合、院内外の多職種のスタッフの協力を仰ぎ、チームで患者さんを支えることになります。ご家族の負担を減らし、患者さんを多職種で見守り支える体制を築いていくことで、外来診療では患者さんにもご家族にも安心して笑顔で診察室を後にしていただけるようになりました。
超高齢社会を迎えた日本で、専門的治療ばかりではなく、『患者さんの生活を第一に考え』『患者さんの人生を支え寄り添う医療』。これができるのが老年科医の最大の魅力だと思います。
※ 2025年11月掲載。所属は掲載当時のものです。


