老年医学実践事例集
―専門医、高齢者医療従事者向け―
日本老年医学会はかかりつけ医や医学生を対象にした事例集(症例から学ぶ老年医学)をホームページに掲載しています。今回老年科専門医を目指す、または日ごろから高齢者医療を実践しておられる医師たちに向けての、より実践的な事例集を作成いたしました。用意した13事例は日常の高齢者医療の現場で遭遇する複数の重要トピックスを扱っており、それぞれの事例は二つのシーンに分けて、質問と解答・解説つきで提示してあります。また、これらの事例は専門医を目指す医師や高齢者医療に従事しておられる先生方以外にも、初期(後期)研修医や、学部学生の教育にもお使いいただけるのではないかと思います。是非有効にご活用いただき、日ごろの診療・教育にご活用いただきたいと思います。
2021年4月
日本老年医学会教育委員会
- 症例
1かかりつけ医から認知機能評価を依頼され、他の慢性疾患(複数の医療機関に受診)を併せ持ち、服薬管理にも問題がある独居高齢者の事例 - 症例
2下血、ショック状態で緊急入院の治療経過中に点滴の自己抜去、暴力行為、夜間興奮状態などが見られた80歳男性に認知症ケアチームとして介入した事例 - 症例
3尿路感染症で入院となり、ポリファーマシーの是正を必要とした85歳女性 - 症例
4腰椎圧迫骨折受傷後に食思不振が続いた86歳女性 - 症例
5認知症に合併して誤嚥性肺炎を繰り返し、最終的に経口摂取が困難となる症例について、どのように誤嚥性肺炎を予防するか、どのように患者や介護者に寄り添うかを検討した事例 - 症例
6多病のためにポリファーマシーとなった72歳男性が、転倒と意識消失を繰り返し、半年後、潜在的な神経変性疾患が明らかになった事例 - 症例
7後期高齢者の健康診査で問題を指摘され、外来受診した82歳の種々の問題を抱えた地域在住高齢者 - 症例
8急速に認知機能とADLの低下を認めた81歳女性の手術適応について、心臓血管外科からコンサルトを受けた事例 - 症例
9かかりつけ医から糖尿病の管理目的で紹介され、高血圧、脂質異常症、肥満症を併せ持ち、多剤投与があるフレイルな85歳の高齢者の事例 - 症例
10褥瘡の発生を契機に様々な老年症候群が明らかになった90歳男性に対して多職種で介入した事例 - 症例
11心房細動、大動脈弁閉鎖不全、高血圧による心不全増悪により、入退院を繰り返している85歳の男性 - 症例
12意識障害と右不全片麻痺を伴った心原性脳塞栓症により緊急入院となった81歳男性に対し、易転倒性や腎機能障害、フレイルにより抗凝固療法の適用について検討を必要とした事例 - 症例
137年間にわたり多彩な症候を呈しながら高カルシウム血症、骨粗鬆症ならびに脆弱性骨折を発症した79歳女性
監修:教育委員会
葛谷 雅文
- 井桁 之総
- 石川 崇広
- 石木 愛子
- 浦野 友彦
- 大西 丈二
- 小島 太郎
- 佐竹 昭介
- 武地 一
- 竹屋 泰
- 山口 泰弘
査読:あり方WG
- 秋下 雅弘
- 荒井 秀典
- 荒木 厚
- 飯島 勝矢
- 江頭 正人
- 海老原 覚
- 北岡 裕章
- 神﨑 恒一
- 清水 聰一郎
- 羽生 春夫
- 横手 幸太郎
- 楽木 宏実
- 海老原 孝枝
- 小川 純人
- 櫻井 孝